日本に暮らしていると、海産物で一番と言って良いほど馴染み深いのが『イカ』です。
子供からご年配まで皆に愛されるイカ。
最近ではイカに豊富に含有する『タウリン』にも注目されています。
コレステロールを下げ、糖尿病や高血圧の予防にも大きな効果が期待されます。
ただ、世界ではタコと同じように全く食べない国も多くあります。
このギャップの凄さは数字でもよく表されています。
世界のイカ漁獲量の何と50%以上は日本で消費されているそうです!
でも、案外『イカ』について知っていることって少ないですよね?
今回はそんな『イカ』のはなし。
知ってから食べると、より美味しくなります!
イカの「足」は8本!
イカの足は10本、タコの足は8本と習います。
実はちょっと違うのです。
イカは、10本のうちの2本は『腕』なんです。
正確には『触腕』といって、この2本だけ長く、伸び縮みします。

この2本の腕で獲物を捉え、残り8本の足で絡めて完全に捕獲します。
イカは漢字で『烏賊』と書きますが、これも水面から鳥をこの長い腕で捉えたという中国の故事が由来と言われています。賊のようだと...。
イカと言えば「ゲソ」も人気部位ですよね。
...でもなぜ、ゲソと呼ぶのでしょう?
「ゲソ」は「下足」と書きます。
下足は、脱いだ履物のことですね。
イカをさばく時、イカの(いわゆる)足を胴体から外します。
胴体は刺身などで食べられるわけですが、外した足は昔は硬くて美味しくない部分として捨てられていました。
そのためイカの足に元々呼び名はなかったと考えられます。
ただ、食べる習慣ができてくると<元々捨てていた箇所>という意味で、脱ぎ捨てた履物のよう=下足『ゲソ』となったようです。
七変化するイカ

イカの一番個性的な特徴は、色が変化するところだと思います。
イカには、色素胞という細胞があります。
しかも、白黄色・赤・褐色と3層になっていてそれぞれ筋肉と繋がっています。
これが収縮したり伸びたりして色の変化を起こします。
一説によると、この色の変化(点滅)でイカは仲間と交流しているとも言われます。
皆さんご存知かと思いますが、イカは鮮度によって色が変わりますよね。
透明から赤褐色、白と鮮度順に変化するのも、この色素胞があるためなんです。
イカの種類

生物学的にはイカは500種以上います。
日本近海でも80~100種はいます。
まさかそれを順に紹介するわけにもいかないので、最後に今回は4つだけ代表的なイカをご紹介します。
①スルメイカ
②コウイカ
③アオリイカ
④ヤリイカ
スルメイカは有名ですよね。
日本でも一番身近なイカです。通年で群れが近海を回遊しますが、7~10月くらいが良い時期とされます。
旨みと甘みのバランスも良く、どんな料理にも合いますよね。
私たちの店でも定番の『塩辛』に始まり、『焼きイカ』も扱っています。
暑い季節はビールにも良く合いますね!


ただ、スルメイカは最近は漁獲量が減っています。
そのため、良く似た「アカイカ」(ムラサキイカ)が代用されることも多いです。
コウイカは丸みを帯びた形が独特ですね。
マイカ・墨イカとも呼ばれます。同じコウイカ科にモンゴウイカがいますが、こちらは胴の表面にコーヒー豆のような模様があります。
モンゴウイカはスルメイカとは違った食感が楽しめます。
私たちの店にも、このモンゴウイカを使用した珍味があります。
(詳しくは→こちら)

アオリイカは何と言っても高級イカで知られます。
長崎では水イカとも呼ばれていますね。
イカの旨みを生み出すアミノ酸、これが一番含有されているのがアオリイカです。
旨みと甘みがはっきりと感じられます。
ヤリイカはその名の通り細く尖った胴体が特徴です。
夏のケンサキイカ・冬のヤリイカと言われるように、ケンサキイカと良く並んで紹介されますね。寿司ネタとしても有名です。
スルメイカよりも甘みが強く、クセが少ない上品なイカです。
……
身の旨み・甘み・食感がそれぞれのイカで違います。
でも、どれも美味しいのがイカの凄いところ。
世界で獲れた半分を私たちが食べちゃうのも納得です。
ぜひ皆さんも食べ比べしてみてくださいね!